2025/01/15 ブログ
歯周病と歯垢について
歯周病とは
歯周病は、細菌感染によって引き起こされる炎症性疾患です。痛みを伴わず、徐々に進行するため、「静かなる病気」とも呼ばれています。
口腔内には約500種類もの細菌が存在するといわれています。
健康な状態の歯と歯肉の境目には1~2ミリ程度の浅い溝がありますが、不衛生な状態になると溝が深くなり、歯周病リスクが高まります。
歯磨きが不十分な場合、歯と歯の間や歯肉溝に汚れが溜まり、細菌が繁殖して歯垢(プラーク)が形成されます。細菌が出す酸や毒素が歯肉を刺激し、炎症を引き起こすことで、歯肉が赤く腫れる「歯肉炎」になります。この段階では、適切な歯磨きや歯垢の除去によって、健康な状態に戻すことが可能です。
しかし、歯肉炎を放置すると、歯肉溝が深くなり「歯周ポケット」が形成されます。ポケットの深さが4ミリ以上になると、歯を支える歯槽骨が徐々に溶け始め、歯がぐらつきやすくなる「歯周炎」へと進行します。一度歯周病が進行すると、元の状態に戻すのは非常に困難で、場合によっては抜歯が必要になることもあります。
■歯垢(プラーク)について
歯垢とは、細菌の集合体である「バイオフィルム」の一種で、歯の表面に強力に付着します。歯垢は簡単に除去できないため、歯ブラシやデンタルフロスを使った日々のケアが不可欠です。
放置された歯垢は、やがて「歯石」と呼ばれる硬い物質に変化します。歯石は歯の表面にさらに強固に付着し、歯ブラシでの除去が困難になるだけでなく、新たな細菌の温床となります。歯石になった場合は歯科医院で取り除く必要があります。
このような状態が続くと、歯周病がさらに悪化し、治療がより難しくなりますので、定期的に歯科医院でケアを行い、歯周病を予防・また重症化を防ぎましょう。